彫紙アートとは? 作品の作り方やり方

<林 敬三先生の作品>

 

彫紙アートってなに?

日本彫紙アート協会 会長の

林 敬三先生が考案された

重ねた色紙をアートナイフで彫って

創作する奥行き感のある半立体アート。

 

立体感のあるイラストレーション

又は、ペーパーアートの様な

新しい表現手法を用いたアートです。

 

正面から見るとシルク版画のように

単一色の組み合わせで構成された表現が特徴で

特に林先生の作品はその断面を近くでみると

まるで機械でカットした様な

正確なカット断面が美しく特徴的です!

 

切絵との違いは

「5枚以上の紙を重ねた状態から

アートナイフで彫って創作される作品」

と定義されており

作品表現上必要であれば「貼る」事も可ですが

作品全体の紙の枚数&重ね順が一致する事

つまり作品のどこを切っても断面が同じ

重ねた色紙の順番が一致する事

が条件になっています。

 

つまり重ねた色紙を彫ってつくるアート作品

紙の彫刻という意味で ”彫紙アート” です。

 

 

彫紙アートはまだ歴史も浅く

数あるアート団体の中ではまだマイナーで

会員数もそれほど多くありません。

 

しかしその分まだまだ表現の可能性は無限で

創始者である林先生ご自身が、現在でも

新しいアート表現を試行錯誤され

常に独自の作品表現を追求されています。

 

ですからあなたにも

あなたにしか表現できない彫紙アート作品を

創れる可能性が非常に大きいのです。

 

彫紙アートをされている会員の皆さんが

自分なりの表現を日々模索しています。

 

 

彫紙アートってどうやってつくるの?

彫紙アート作品はどうやってつくるのか。

 

先日私が創った作品を例に概略をご紹介します。

 

最低限必要なものは下記の4点です。

1.アートナイフ

2.カッターマット/下敷き

3.下絵

4.色画用紙

 

 

 

① 下絵をかく

まずは下絵を作成するのですが

単一色で構成された

シルクスクリーンのようなイメージで創ります。

線図を描いて各面に色をのせていく

という感じでもいいと思います。

例えばこんな感じで線図を描き

色をのせていきます。

 

② ナンバリング

次にその絵の色(面)に番号を振っていきます。

作品が仕上がった時の奥行き感や

前後の関係をイメージし

彫る順番を意識しながら番号をつけます。

ここまでで下絵完了です。

*彫紙アート協会の会員になると

下絵を購入することができます。

 

 

③ 色(紙)を選んで下絵を重ねる

次に下絵で使った色に近い紙を選択します。

通常は豊富な色数がある

ファインペーパーやファンシーペーパーという

TANT紙 や NTラシャ紙 を使うことが多いですが

特に決まりはありません。

 

この例では

① 白

② 紺

③ 赤

④ ピンク

⑤ 黄緑

⑥ 黄

⑦ 白

の7枚を使います。

 

 

下絵で振った番号の順に上から色紙を重ね

一番上に下絵をのせてホチキスで固定します。

 

 

④ 彫る

下絵と必要な色紙をセットしたら

いよいよ彫り始めます。

詳細は省略しますが基本は番号の大きい

一番深い面から彫っていきます。

 

こうすることで彫る途中で作品を傷めたり

ちぎれたり失敗しにくくなります。

作品を創る過程では

一番上の紙から1枚ずつ切り抜いていきますので。

番号の小さい上の紙ほど何回もめくられる為

最初に切り抜きが多くなると紙を傷めやすい

からです。

 

この例の場合は

⑦ の白目の部分と目のハイライトになりますが

この時カッターマットを⑥と⑦の間に入れ

上から順に一枚ずつめくり

①~⑥まで切り抜きます(⑦が見える)

同様に

⑥ 黄の模様(①~⑤まで)

⑤ 黄緑の模様(①~④まで)

④ ピンクの模様(①~③まで)

③ 赤の模様(①~②まで)

② 紺の部分(①のみ)

 

と彫って行き完成です。

 

 

 

やってみよう! 彫紙アート

ではもう少し簡単な下絵を用意しますので

下絵(pdf)をダウンロードして

トライしてみてください。

(すみません、準備中です…)

 

アートナイフはあった方が良いです。

普通のカッターナイフでは

細かいカットは難しいと思います。

 

カッターマットはあったほうが良いですが

無ければ厚紙や塩ビシートなど何でもいいです。

ナイフが次の紙まで彫れない様に

間にいれるものです。

 

色紙は100円ショップで売っている色画用紙で

良いと思います。

 

 

こんな本もあります! ”はじめての彫紙アート”

彫紙アートを試しにやってみたいという方には…

 

こういう本があります。

 

彫紙アートのやり方の基本が

分かり易く紹介されています。 

また5枚ほどでつくれる比較的やさしい

下絵がいくつか監修されています。

 

この本に載っている

表紙の下絵でつくったものがこれです。 ↓

これは私が実母と義母に

母の日に送ったカーネーションの作品です。

比較的簡単なものですが

珍しい手作りのプレゼントに

とても喜んでくれました。

彫紙アートはこのような

ちょっとしたギフトにもいいんです。

 

 

その他、幾つかの彫紙アートをやってみたい方は

この本に載っている下絵を試してみると

良いかもしれませんが

アートナイフやカッターボード

色紙などを別に買う必要がありますので

もっと手軽に・すぐ体験したい方は

体験クラスに申し込まれるのがいいと思います。

 

 

体験クラスに申し込もう!

彫紙アートのやり方・作り方を

もう少し詳しく知りたい

基本を教えてもらいたい という方

お近くの彫紙アートスクールで

体験クラスに申し込んでみてください。

 

基本的なやり方も教えて頂け材料代込みで

¥1,500~¥3,000 で受講でき(2時間くらい)

必要な道具は全て用意してくれます。

 

 

東京なら林先生&妹尾先生の 

ChoshiArt LABo 「K's ART」

TEL:03-4361-5022

 

大阪なら私が通っている教室

ChoshiArt「ATELIER I-CHE」

TEL:090-5124-9882(竹内先生)

をオススメめします

親切・丁寧に指導して頂けますよ。

 

 

その他各地に彫紙アートスクールがありますので

お近くの教室に連絡してみてください。

 

全国彫紙アートスクールのpdf ダウンロードはコチラ

 

 

ちなみに私が初めて

体験クラスで作らせてもらった作品がコレです。

 

私の体験クラスレビュー記事はコチラ

 

 

 

私が彫紙アートをおススメしたい7つの理由

 

1.非日常の自分だけの時間を持てる!

私が彫紙アートを始めたきっかけは

毎日毎日自宅と会社の往復で仕事漬けになってい

た40代の頃、仕事は仕事でやりがいを感じ充実し

ていたのですが休日は仕事以外に熱中できる何か

”非日常の時間" が欲しかったのです。

私と同じ会社員/または自営業の方でも

仕事以外の息抜きの時間(熱中できる趣味)を持

ちたい方は大勢いらっしゃるのではないですか?

週に1度(2時間ほど)日常から離れた

こういった時間を持つことで休日も充実した時間

を過ごすことが出来、さらには仕事も今まで以上

に集中して取り組めるようになりました。

 

主婦の方も毎日の家事や家族の世話/ご近所や

ママ友とのおつきあいの時間から切り離された

”非日常の時間”を週1回~2週間に1回持つことで

日常も非日常も充実して過ごせると思います。

 

現に彫紙アートを習いに来ている多くの方は

子育てが一段落し

今度は自分の時間を充実させたい

そういった主婦の方が多いように思います。

 

 

2.自分の可能性を発見、自分磨きを始める!

このブログに来られた方は

すでに彫紙アートを始めている方か

何かで彫紙アートというものを知り

興味を持たれた方だと思います。

 

子供の頃ころ好きでよく

絵やイラストを描いてたけどまた始めようか?

むかし手芸や工芸・アクセサリーなどモノ創りが

好きだった人で、また何か始めてみたい! 

何か面白そうなコトはないかな? などと

新たな趣味を探してる方ではないでしょうか?

 

実は私自身は家電商品のデザインの仕事をしてい

るのですが、マネージャーになってから自分自身

ではデザインはしません。

部下にデザインしてもらうのですが

仕事には期限やコスト・部下の能力など

様々な要因が重なる中でベターな選択をして行く

ことが多くなります。

そんな毎日を送っている中で何か1つ、妥協せず

「自分が納得できるまで突き詰められるもの」

が欲しかったのです。

 

このブログの

「私の好きなイラストレーター」

でも紹介していますが

私は、鈴木英人さんの風景イラストや

ペーター佐藤さんの人物パステル画

佐藤邦夫さんの擬人動物画

ノーマンロックウェルさんの

’60の人物を主体としたアメリカの風俗画

などのイラストレーション

太田隆司さんのペーパーアートが大好きで

自分でもこんな作品が創れたらな~という

ある種の憧れを抱いていました。

 

イラストレーション・水彩画

紙アート・ペーパーアートなどで

webでいろいろ検索してるとき

林先生の作品に出会いました。

 

彫紙アートは他にない

新しい表現手法を使ったアートです。

はじめの1歩から全てが今まで経験したことがない

新しい体験になります。

その新しい体験の階段を1段1段上っていくことで

今まで気づかなかった発見や新鮮な楽しみを得る

ことが出来るのです。

他人と比べる必要はまったくありません。

長くコツコツと続けることで確実に今の自分より

一歩でも成長出来ればいいと思ってます。

 

 

3.展示会に出展! 新しい経験が積める!

私は子供のころから絵を描いたり

工作をしたりするのが好きで

プロダクトデザイナーの仕事に就いたのですが

実は今まで展覧会や展示会というものに出展した

経験はありませんでした。

 

日本彫紙アート協会では年に1回秋に東京か大阪で

彫紙アート展(会員展)を開催します。

(2020-2021年はコロナの影響で中止)

私も彫紙アートを始めた年の秋に

初めての会員展に出展させてもらいました。

今までそのような経験が無かったので

出展の際は、期日に間に合うだろうか?

出展に相応しい作品が出来るだろうか?

という不安を抱えながらも何とか出展し

他の出展者の方々の作品を拝見したり

展覧会後の親睦会で制作に関するいろいろなお話

を伺ったりする機会を得ると

ああ、今年も出展出来て良かった

また来年さらに1ランク上の作品を出展しよう!

と、気持ちを新たにしますが

この思いは8年経った現在でも全く変わりません。

今でも年に1度の彫紙アート展出展を

とても楽しみにしています。

 

また2018年には青枢展という会員展以外の展覧会

出展のお誘いも頂き、上野の東京都美術館に展示

して頂ける機会を得ました。

上野の美術館なんて他人の作品を観に行くとこで

自分の作品を飾ってもらえるような場所ではない

と思っていたのでとても貴重な体験でした。

そして今年(2021年)は彫紙アート展は中止に

なりましたが、なんと国立新美術館で開かれる

「21世紀アートボーダレス展」という展示会に

参加させて頂けるようです。

国立新美術館ですよ!!

 

私だけでなく、普通の会社員や主婦の方で

こういった機会を得られる方はなかなか

いないのではないでしょうか?

彫紙アートをやっていると、林先生のお力で

こういったチャンスを頂くことも出来るんです。

 

 

4.新しい人脈・友人ができる!

年一回の彫紙アート展を通じて

全国の彫紙アーティストの方々との

交流の機会があります。

私のような会社員は、ややもすると付き合いは

会社や仕事関連の人たちのみになりがちですが

彫紙アートをはじめ、会員展に参加させて頂くと

仕事とは全く違った

年齢も住む場所も経歴も異なるけど

趣味を同じにする様々な人たちと出会い

共に作品つくりの苦労やこだわりについて

語る時間は本当に楽しく

あっという間に過ぎていきます。

そしてまた来年、今年の自分の作品を上回る

良い作品つくりにチャレンジするぞ! 

と新たな思いを胸に秘めるのが

本当に楽しいんですよ!

 

 

5.彫紙アートは手軽に始められる!

彫紙アートを始める前 

何か仕事以外で打ち込めるものは無いか? 

とwebでいろいろ探していた時

幾重にも重ねた紙を同じ形て何枚もカットされた

林先生の彫紙アート作品に目がとまりました。

 

いったいこれはどうやって作っているのだろう?

この時まさか手作業で1枚1枚を切り抜いている

などとは夢にも思わず…

何か機械か道具を使ってカットしてるに違いない

と思っていました。

そしてこの彫紙アートという

イラストレーションのような

ペーパーアートのようなこの新しい

立体感のある表現手段に非常に興味を持ち

早速体験クラスを受けることにしたのですが

絵を描くよりモノを創るのが好きだった私には

何か "これだっ" と思えるものがありました。

しかも使う道具は

アートナイフ カッターマット

だけなんです。

 

水彩画やガッシュ/ポスターカラーなどで

イラストを描こうと思うと

新聞紙を敷いて絵具・筆・水を用意し

準備や後片付け、道具の手入れも大変です。

(専用アトリエのある方は別ですが…)

ペーパーアートやプラモデルなどの工作系も

同様ですが、彫紙アートは本当に

アートナイフ カッターマット 

だけで準備も後片付けも楽ちんなんです。

そんなところも彫紙アートをやってみよう

と思った理由の1つです。

 

 

6.彫紙アートは新しいアート。歴史が浅い分可能性も大きい!

前の方にも書きましたが

彫紙アートはまだ歴史が浅く

創始者の林先生でさえ

まだまだ新しい表現を模索して試行錯誤を

繰り返しておられます。

一般的な絵画・水彩画や油絵・切絵などある程度

メジャーなカテゴリーは大御所と呼ばれる方々も

大勢いらして表現手法も成熟されています。

その中で新たな表現方法を生み出すのは至難の業

でしょうし自分らしさを表現するのもかなり難し

いと思います。

 

決して彫紙アートが楽なわけではありませんが

まだまだ表現の可能性を秘めてることは事実だと

思います。

現在彫紙アートをされてる方の多くが自分らしい

表現を模索しており成熟されていないけど

まだまだ伸びる可能性がある成長期の若者の様な

可能性を秘めたアートだと思います!

 

 

7.下絵デザイナーに成ったり、自分の教室を開くことが出来る!

2~3年じっくり彫紙アートと向き合ってある程度

実力が付いたら、自分でデザインした下絵を販売

したり、自分の教室を開くことも出来るんです。

勿論下絵の販売や教室運営はそんなに易しいもの

ではないと思いますが

今、各地で教室を開いている先生方の多くは

ココにも自分の可能性を広げるメリットを

見つけた方ではないでしょうか。

 

彫紙アートをやられている方の中には水彩画や

色鉛筆画家・版画家・グラフィックデザイナー

切絵経験者など他のアートジャンル経験者も

少なくありません。

こうした方々は、下絵販売などは比較的

ハードルは低いかもしれませんね。

(売れるかどうかはまた別ですが‥)

 

アーティストとして創作活動を追求する外に

下絵デザイナーや教室運営の可能性があることは

やはり大きな魅力の1つではないでしょうか?

 

 

私がこのブログを始めた理由…

彫紙アートを知り興味を持たれた方や

始められたばかりの方に

その魅力や面白さ・難しさなどをお伝えしたい

というのもありますが

 

毎年彫紙アート展に出展する中で

試行錯誤と工夫を重ね自分らしい表現を

模索している上級者の皆さん。

 

毎年少しずつ難易度の高い表現にチャレンジし

自分磨きを実践している皆さんが

どんな考えでその作品を創り

どんな表現を目指して試行錯誤してるのか?

どんなテクニックで作品を創っているのか?

など知りたいな~。 と思っていたのですが

それならまず自分がこのブログで紹介しよう! 

と思ったのが切掛けです。

 

私の考えや取組が他の方の参考になるかどうか

分かりませんが、彫紙アートをやられてる方には

色々なフェーズの方がいらっしゃるし

失敗例も紹介することで私の事例でも参考になる

方もかもしれないと思い発信しています。

 

 

最近、林先生も note というSNSで

ご自分の考えや思いを発信されてますよね!

林先生のクラスを受講する機会の少ない私には

とても参考になり

毎回の発信を楽しみにしています。

 

林先生、ありがとうございます!!

林先生のnote はコチラ

 

そしてこれから彫紙アートを始めたい!

と思っている方にも

どんなステップでスキルアップしていくのか?

 

現在のカリキュラムとは多少異なりますが

私が「彫紙アートスクール」に通い始めたころの

つたない課題作品などもお見せしながら…

具体的に分かりやすくご紹介しますので

作品制作の過程やスキルを身につける過程なども

理解して頂けると思ってます。

 

 

 

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