彫り
下絵が完成し色が決まったので
いよいよ彫に入ります。
今回は今まで創った作品の中では最大の
A3サイズにチャレンジです。
枚数は41枚で2015年の作品と同等です。
四切サイズ(545x394)からA3の作品を
創りますので左右に70mmの余白が出来ます。
70mmあると紙をめくった時も安定するので
作業がし易くなるんです。
いずれにしても今回は絵をセンターで左右に分け
始めに右側をホチキスで止め左から仕上げ
次に左側に止め替え右側を仕上げ完成させます。
今回の絵柄のポイントは
① 植物(緑)の表現
② ペンキの禿げた看板の表現
③ エントランスドアの表現
この3点だと思ってます。
植物(緑)
特に最初の植物(緑)の表現は
グッと手前に寄せた感じで
ある程度リアルなアウトラインを出しつつも
諧調の境界線をグラフィカルに面白く表現し
且つ、植物+看板+オールなど計27枚で
植物から建物の壁/ドアまでの奥行き感を出し
絵全体の立体感のある表現を狙っています。
作業的にも一番時間がかかり
ここだけで残タイの作業時間の半分くらい
使ってるのではないでしょうか。
看板 Relaxation BOATCAFE
実は最初の写真で
この看板のペンキが剥げた感じがとても良くて
ここをどう表現するかが絵にアクセントを入れる
ポイントだと感じていました。
なのであえてオリジナル写真よりも大きく拡大し
存在感を出しています。
ペンキの禿げもさることながら
レタリングも重要です
今回特に感じたのは風景の中のレタリングを
丁寧に表現することで作品の繊細さや緻密さ
丁寧さが表れてくるという事です。
エントランスドア
最後にドアの表現です。
ここはペンキのムラやシミだと思いますが
同系色で色相を少しずらした青と青緑で
経年劣化の雰囲気を出します。
またガラスに映り込んだ外壁のリフレクション
やガラスに印刷されたレタリングなど
こちらも丁寧に表現することで
作品の完成度が上がると思います。
彫紙アートの場合
ある程度の厚さのある紙を切り抜いて絵を創る為
私の場合細かな表現にはかなり限界があります。
全体の雰囲気を壊さない様に適当に簡略化する
テクニックが必要です。
完成!
今回は図柄の複雑さと作品サイズにおいて
未経験レベルにチャレンジしましたが
終わってみると案外出来るもんだなと
自信につながりますし、次からは
これが自分自身のデフフォルトになります。
今回、植物の葉の表現や看板のペンキの禿げ表現
などなどもう1つ繊細な表現がし切れなかった
または納得いくレベルまで持って行けなかった
ところがありますが、全体の雰囲気としては
まあまあ表現できたのではと感じています。
(カット技術はまだまだですが…)
今まで創って来た自分のオリジナルでは
1番気に入っています。
このサイズと用紙40枚前後をデフォルトに
今後も作品を展開していきます。