2022年度全国彫紙アート展に向けて
2022年度の全国彫紙アート展の案内が届きました。
2020年度よりコロナウイルスの影響で
2年間見送りとなっていましたが
久しぶりに大阪で開催されることになりました。
昨年(2021年) 21世紀アートボーダレス展
(新・国立美術館)への出展のお話を頂き
新作の制作を始めてましたが
残念ながら出展に間に合わすことが出来ず
費用だけ支払って断念した経緯があります。
モチベーションが一気に下がり
半年ほどほったらかしてたのですが
今回続きを作成し
2022年度の彫紙アート展と21世紀アートボーダレス展に
出展予定です。
テーマは真夏の陽射(光と影)
作品モチーフは、2018年に作成した「BOAT CAFE」
の取材時に撮影した写真の1つです。
初夏の強い日差しと白いウッドデッキが爽やかで印象的ですが
絵としては少し物足りなさを感じますね。
この写真をベースに下絵をアレンジして行くことにしました。
海をバックにした白いウッドデッキ…
雰囲気は良いのですが
・海/空の青
・島と壁向こうの緑
・ウッドデッキの白
とやや色味に欠け
スチールの手すりも味気ないので
この辺に手を加えたいと思います。
色味的には夏の花の「赤」と
新録の鮮やかな「黄緑~緑」を加えたいところです。
まず、スチールの手すりの代わりに
夏の花ブーゲンビリアの花壇を…
少し間の空いたバックのウッドウォールに
ツル系の植物の葉をコーラージュ風にレイアウトしてました。
いくらか夏っぽく、華やかになりました。
完成イメージはこんな感じに。
次にこのレイアウトをベースに
パラソル
背面の木々
花壇の花と石垣を
彫紙アートで表現できるように
線図に起こして配色をアレンジします。
パーツごとの線図を組み合わせて下絵にします。
<下絵 完>
本当は写真をベースにして
ちゃんとイラストで仕上げるのがベストだとは思いますが
私の場合は写真と線図の組み合わせで作業を端折ってます。
次にこの下絵をベースに大まかな階層(レイヤー)に分けます。
手前から…
①パラソル/3
②テーブルと椅子/8
③床/5
④花壇の石垣/4
⑤花壇の葉と花/7
⑥ウッドウォール/4
⑦ウッドウォール裏の樹々/5
⑧海/3
⑨島/5
⑩空/1
計45枚となりました。
それぞれの色出しをして下絵と重ねます。
ここまでが下準備、ここから紙を彫っていきます。
まず左半分を大きなレイヤーごとに彫り
それぞれのレイヤーを仕上げていきます。
デッキとテーブル・椅子・パラソルを残して彫り終えたところです。
デッキとテーブル・椅子・パラソルは最後に仕上げるので
ここでホチキスを右側から左側に留め替えて右側を彫るのですが
左側の半分以上が切り取られてベラベラなので
切り取ったパーツを仮止めして埋めていきます…。
ホチキスを右側から左側に留め替え…
これから右側を彫り始めるのですが…
昨年はここまで彫って出展に間に合いませんでした。
今年はこの続きから彫りはじめます…
まずはウォール背面の樹々から…
ウォールと床・テーブル…
最後に一番手前の椅子と…
パラソルを貼り付けて完成です。
今回の作品は最初にイメージありきでスタートしたので
彫紙アート作品としては最も創り難いものになってしまいました。
最も手前のパラソル・テーブルが真ん中にあるので
彫り進めると周りが切り取られていき
各階層の紙がバラバラになってしまうからです。
苦労した割には平凡な表現になってしまいました。
作品のイメージは、夏・海辺・潮風・光と影…
なんですが、題名は「陽射」としました。
夏の陽射しと影のコントラスト
強い陽射しに照らされ際立つ
ウッドデッキ・花・海・空 の鮮やかな色のコントラスト
が表現したかったところです。
潮香る夏の光と海辺の空気感を感じて頂ければと思います。