興福寺 歴史・見どころ~御朱印

 

興福寺(山階寺)

創建:669年 山階寺(やましなでら)

本尊:釈迦如来像

開基:藤原不比等

宗派:法相宗 大本山

 

起源

645年 乙巳の変 の年 中臣(藤原)鎌足が

釈迦三尊像と四天王像を造立します。

669年 夫人の鏡大王が鎌足の病気平癒を願い

鎌足が造立した釈迦三尊像を本尊として

山背国三階(京都市山科区)の私邸に建てた

山階寺(やましなでら)が興福寺の起源で

710年 平城遷都に伴い

鎌足の子藤原不比等が藤原氏氏寺として

現在の地に興福寺として建立しました。

 

乙巳の変以降~奈良時代にかけて

天皇を支えてきた藤原氏の氏寺が

興福寺の起源です。

 

歴史

飛鳥時代中期

馬子の時代に壮大な権力を手に入れた蘇我氏は

聖徳太子・蘇我馬子の死後

大臣を継いだ馬子の子蝦夷(えみし)と

その子入鹿(いるか)は権力を欲しいままに

天皇にしか許されていない行為を行うなど

まるで自分達が天皇になったかの様な行動が

目立つようになって来ます。

そして628年

継承者を指名することなく推古天皇が亡くなると

次の皇位継承をめぐり蘇我氏が動き出します。

継承者候補は、聖徳太子の子

山背大兄王(やましろのおおえのおう)と

敏達天皇の子 田村皇子の2人です。

山背大兄王は聖徳太子の意志を継ぐ人格者で

広く民衆~豪族から慕われていた様ですが

 

朝廷幹部の合議であるという提で強引に

田村皇子を舒明天皇として継承させ(629年)

自らの権力を維持します。

 

しかしそれでも山背大兄王が存在することに

不安を感じた入鹿は兵を集め山背大兄王と一族を

攻め、1度は難を逃れた山背大兄王でしたが

自分達の為に大勢を巻き込む戦になる事を避け

斑鳩の里で一族・自害に追込まれます。

(643年)

 

これら蘇我氏の目に余る振舞いを止める為

立ち上がったのが中臣鎌足(後の藤原鎌足)

中大兄皇子(後の天智天皇)です。

 

645年 2人は飛鳥板蓋宮で朝鮮からの使者

を迎える日 蘇我入鹿を殺害しますが

それを知った父蝦夷も自らの立場を理解し

屋敷に火を放ち自害します。(乙巳の変)

 

この乙巳の変を境に

中大兄皇子と中臣鎌足が中心となり

聖徳太子が成し遂げられなかった

天皇中心の国(社会)を創り始めますが

この頃より中臣鎌足は

天皇の政治をサポートする重要な地位を築き

不比等に引き継がれ奈良時代に至ります。

 

645年 乙巳の変の年

鎌足が釈迦三尊像を造立し

669年 鏡大王が鎌足の病気平癒を願い

山階寺を建立し鎌足の釈迦三尊像を収めますが

同年鎌足は亡くなります。

鎌足が亡くなる前日、天智天皇は

それまでの鎌足の働きに謝意を示し

大織冠と内大臣の位と藤原姓を与えます。

 

672年 壬申の乱の後

山階寺を藤原京の高市郡厩坂に移設し

厩坂寺(うまやさかでら)とし

710年 平城遷都に伴い鎌足の子・不比等が

藤原氏氏寺として現在の地に興福寺として建立し

714年 中金堂が建立されました。

 

天皇家と深く関わり支えてきた藤原氏は

不比等の代になっても朝廷の重要な地位を占め

政治の中心を担ってきた為

藤原家のみならず天皇家にも厚く保護され

堂塔が建立-伽藍造営が進められ

不比等の死後は藤原氏氏寺から天皇家・国家の

大宮寺 興福寺として栄えてきました。

 

 

みどころ

興福寺は境内がはっきりと区切られてなく

奈良公園内に旧中金堂・東金堂・五重塔

北円堂・南円堂・三重塔 といった伽藍が

散らばってる印象でしたが

2018年 中金堂が再建され、続いて

中門・回廊の復元が進められてます。

 

これが出来ると奈良時代~平安時代の

興福寺全盛期の全貌がイメージ出来

東金堂や五重塔といった古い伽藍と

新しい伽藍とのコラボによる再現は

私自身はとても楽しみにしています。

 

そして興福寺のもう1つの魅力は

何といっても奈良・平安時代~の数多い

仏像の傑作が拝める事ではないでしょうか?

中金堂・東金堂では収まらず国宝館という

別館を設けています。

 

また奈良公園の中にあり鹿が自由に行き来き

している境内をゆっくりと散策できるのも

興福寺や東大寺ならではだと思います。

 

国立奈良博物館とも隣接してますので

奈良時代の仏像・天平文化に興味のある方は

おススメします。

 

 

御朱印

興福寺勧進所(9:00~17:00 受付16:30)

西国四十九薬師霊場第4番/神仏霊場16番

・中金堂

・東金堂

・ご詠歌 東金堂

・令興福力

・千手観音

 

南円堂納経所(9:00~17:00 受付16:30)

西国三十三所霊場9番/神仏霊場16番

・南円堂

・ご詠歌 南円堂

・令興福力

・一言観音堂

・ご詠歌 一言観音堂

・北円堂(開堂中のみ)

 

 

拝観時間

興福寺国宝館/東金堂/中金堂

9:00~17:00(受付終了16:45)

 

入堂・拝観料

興福寺国宝館>

大人  ¥700

中学・高校生 ¥600

小学生 ¥300

 

東金堂>

大人  ¥300

中学・高校生 ¥200

小学生 ¥100

 

国宝館・東金堂連帯共通券>>

大人  ¥900

中学・高校生 ¥700

小学生 ¥350

 

中金堂>

大人  ¥500

中学・高校生 ¥300

小学生 ¥100

 

住所・TEL

〒630-8213 奈良市登大路町48番地

国宝館 0742-22-5370

東金堂 0742-22-7781

中金堂 0742-22-7781

 

アクセス

JR奈良駅から

徒歩:15分

バス:奈良交通バスで近鉄奈良駅か県庁前

近鉄奈良駅から

徒歩:5分

 

駐車場

国宝館の前の興福寺駐車場¥1000/日

(9:00~17:00)

奈良県警横の奈良登大路駐車場¥1000/日

(6:00~22:00 275台)

東大寺・春日大社などと合わせて散策

または早朝~/夕食を周辺で予定の場合は

登大路駐車場がおススメです。

 

 

>すぐわかる興福寺 中金堂・東金堂・五重塔~
>すぐわかる南都七大寺・南都六宗とは?

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