物流倉庫向ピッキングソリューション
<2018年>
医療用品の物流倉庫M社さん向けに開発した
倉庫業務のソリューションデザインです。
皆さんも日常的に利用している通販は
ほとんどの会社は倉庫でお客様からの注文を受け
次の日の朝から受注した商品をピッキングし
その日の内に配送。
といったワークフォローになっていますが
受注した商品をピッキングするのは
ほとんどがパートの社員さんです。
1部の大企業はフルオートでピッキング出来る
倉庫システムを持っているところも在りますが
ピッキング作業は商品のサイズや形も
様々なものがあり自動化が難しく
多くの倉庫では人力が主流なのです。
M社さんは医療用品を専門に扱っている会社で
お客様は病院をはじめとする医療関係であり
一般のお客様ではありませんが
作業工程としては一般のECと同じです。
現場の課題とソリューション
ピッキング業務は
経験が長いほど作業効率が上がりますが
離職率が高いのもまたこの業界の課題です。
ベテラン作業者が他の倉庫へ転職し
新人が入る度に作業効率が落ちてしまうのです。
そこで我々は新人の作業員さんでも
このAGVを使ってピッキング作業をすると
ベテラン作業員と同等のスピードで作業でき
ベテランはベテランでさらに作業効率を上げられる
という所を目標としました。
AGVの軌道からは様々なデータが取れますが
我々は倉庫業務全体の効率化UPの為
①ピッキングをする作業者の視点と
②倉庫業務全体をマネジメントする管理者の視点で
AGV本体(HW)と
AGVを動かし管理するシステム(SW)を
開発する事にしました。
①ピッキングする作業者の視点としては
従来の様にピッキングリストを確認しながら
台車を押す必要が無く
ピッキングリストをインプットされたAGVの
後を付いて行くだけでよく
移動しながら次にピッキングする商品が
どちら側のどのあたりにあるこんな商品という
情報を付属のタブレットで確認できるのです。
またAGVが進む予定の経路も事前に表示しますので
先回りして商品をピックアップすることも可能です。
このシステムにより我々は新人の作業員さんでも
ベテラン作業員と同等のスピードで作業でき
ベテランはベテランでさらに作業効率を上げられる
という所を目標としました。
②倉庫業務全体をマネジメントする管理者の視点
では今日受注した注文量に対し
現在どのくらい作業が進んでいるのか?
また予定通り進んでいるのか?
予定より遅延しているのか?
など作業の進捗状況が一目で分かるGUIを
開発しました。
そしてもちろんAGV本体のデザインも
現場での作業をデザイナーが直接体験し
少しでも作業をしやすく、また
安全性にも十分配慮してデザインしました。
このプロジェクトでは
従来プロダクトデザイナーは商品デザインを
UX/UIデザイナーは画面デザインを
と個別に進めていたデザインワークを
プロダクトデザイナーとUXデザイナーが
システムエンジニアや機構技術者と共に
現場を視察し作業者や管理者にインタビューを行い
共に課題に対するソリューション案を考え
商品・システム開発の初期段階から
関わって行くという、我々としても初めての
ソリューションデザインワークになりました。
このソリューションデザイン業務には
2018年から弊社にキャリア入社し
BtoBデザインには精通したベテラン O・Hさんと
UXデザイナーの I・MさんT・Nさんが
良いチームワークで取組んでくれました。
2人は何度も現場に足を運び実際の作業を体験し
また工場内のテストエリアでもSW/HWの検証
を重ね商品化に繋げてくれました。
そしてこの物流倉庫向ピッキングソリューションは
209年度のGood Design Award を
受賞することが出来ました。
ソリューションデザインで
Good Designを受賞出来たのは
我々としても初めてのことです。
O・Hさん I・MさんT・Nさんご苦労様でした!