第1位 鈴木英人さん
鈴木英人さんのイラストレーションは
・山下達郎さんのレコードジャケット
・雑誌「FM STATION」の表紙
・英語の教科書「NEW HORIZON」表紙
などが有名ではないでしょうか?
初期のイラストレーションは
1960代のアメリカの田舎町とアメ車や
バス・ピックアップトラック・キャンピングカー
など、いかにもアメリカらしい
モチーフが多かったと思います。
この頃は週刊誌の表紙イラストが多かったせいか
比較的シンプルな絵が多く
その後
イラストレーターからアーティストへ
クラシカルなポルシェスピードスター
南国のリゾート地・ボートなどをモチーフにした
リトグラク作品が中心になってきます。
私が好きなのはこの頃の
南国のリゾートをモチーフにしたものです。
英人さんの凄いところは
PCが普及してなかった当時
リアルな風景色を諧調で表現し
さらには「PANTONE 紙」という
当時、グラフィックデザイナーが使っていた
カラーシートを用い、1色1色丁寧に切り抜き
あの緻密なイラストレーションの原画を作成
している事です。
その表現は当時とても斬新でインパクトがあり
多くのイラストレーターに影響を与えたと思い
ますし恐ろしく手間のかかるその作業を想像
できるデザイナー/イラストレーターからは
とても信じがたい作品でした。
私も英人さんのリトグラク作品
1品くらいは購入したいな~と思ってましたが
ちょっと手が出ませんでしたので
代わりにポスターを額に入れ飾っています(笑)
英人さんの絵を部屋に飾り、じっと眺めていると
束の間でも自分が南国のリゾートにいる様な気分
に浸れますし
何より部屋がパッと明るく・華やかになり
とても気持ちが和むんです!
大阪の南港・天保山に
英人さんのリトグラクを扱ってる画廊があり
しばしば現物を見に行くのですが
やはり本物の発色は素晴らしく、美しいです。
画廊の方曰く英人さん専任の印刷職人さんがいて
作品に使われるインクも全てオリジナルの
EIZIN COLOR があるそうです。
それにしてもおよそ30版前後のリトグラフ印刷を
あの精度で印刷出来る技術も素晴らしいですね。
私が彫紙アートに出会う前
英人さんの絵を眺めながら
そのライフスタイルに
とても憧れを感じてました。
1年中取材で世界のリゾート地を飛び回り
写真を撮りまくってそれを作品に起こしていく。
さぞかし多忙だとは思いますが
理想的な生きざまですよね!
勿論、そのレベルに到達するまでが
尋常ではない仕事量だったとは思いますが…
それは英人さんの作品集にある
作品点数を見れば容易に想像が付きます。
今はPCを使えば
鈴木英人風 イラストを作ることは
そう難しくはありません。
しかし、PCを使って写真を諧調表現するだけでは
この雰囲気は絶対に出ません。
色と色との境目のライン!
英人さんのイラストレーションは
このラインがデザインされているんです。
そしてリアルだけど
おそらく現実より、より明るく華やかな色使い!
これこそがエージンワールドの真骨頂だと
私は思っています。
林 先生の「彫紙アート」を初めて目にしたとき
英人さんのイラストが頭に浮かびました。
彫紙アートも紙をカットして絵をつくるので
ノングラデーションの諧調表現であり
諧調の境界線 =カットラインの美しさが
作品の美しさにつながるところに
共通点を感じたからです。
そして彫紙アートの立体感‥‥
英人さんのイラストに「彫紙アート」の立体感
が加わるとどうなるのだろう?
これを試してみたい! という思いが
私が「彫紙アートをやってみよう!」
と思い立ったきっかけなんです。
勿論、英人さんのイラストの様な
あれほどの緻密な表現は難しいかもしれませんが
彫紙アートの立体感が加わることでまた
違った魅力や表現が出来るように感じています。
前出の「太田隆司さんのペーパーアート」同様
という事で、現在の私の目標は
① 自分が部屋に飾りたいと思える風景作品
② 英人作品のように諧調を美しいラインで表現
③ + 彫紙アートの立体感・奥行き感を感じる
風景作品を創ること! なんです。
「鈴木英人」+「林 敬三」÷2=ってどんなん?