二月堂
創建:728年 金鍾山寺
本尊:十一面観音像(絶対秘仏)
開基:聖武天皇
開山:良弁
宗派:華厳宗 大本山
歴史・みどころ
旧暦2月に行われる行事「お水取り/修二会」
から2月堂と呼ばれています。
現在の建物は1669年(江戸時代)に
再建されたものです(国宝)
本尊は2体の十一面観音像
大観音(おおかんのん)・小観音(こがんのん)
ですが国宝指定の秘仏のため拝観は出来ません。
東大寺の中でも最も高い若草山のふもとにある
2月堂の舞台からは東大寺の全景と奈良市街が
一望出来、特に夕暮れには奈良市内の夜景が
堪能できます。
*本堂周辺での三脚使用は禁止されてますので
ご注意ください。
お水取り/修二会(しゅにえ)
3月1日~14日まで(旧暦の2月1日~)
2月堂で行われる東大寺最大の法会で
大仏の開眼供養会が行われた752年~現在まで
1度も絶えることなく続けられている行事です。
修二会(しゅにえ)とは
2月に修する法会という意味で
本尊十一面観音の前で自らの罪障を懺悔し
<<私たちが日常に犯している様々な過ちを
悔い改め神仏に報告し>>
天下泰平・万民豊楽を祈る法会で
特に奈良時代においては
干ばつや大地震などの天災や疫病(天然痘)
藤原宏嗣の乱などの天皇への反乱など
「国家の病気」を取り除き
作物が豊富に収穫でき人々が平和に暮らせる
世の中を願う行事であったと思われます。
またこの法会は毎日
日中・日没・初夜・夜半・後夜・晨朝の六回
行法が行われますが、12日の深夜に行われる
2月堂下の若狭井からご本尊にお供えする
1年分のお香水(おこうずい)を汲み上げる儀式
を「お水取り」と言っています。
この法会を行うにあたり毎夜大きな松明が灯され
練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶達が
2月堂の下から松明を持って本堂に上がり
本堂の舞台を松明とともに走り抜ける画像を
TVなどで観た事があるのではないでしょうか?
この様子から「お松明」とも呼ばれ、現在では
春の訪れを告げる行事として知られています。
御朱印
2月堂の御朱印は4種 ¥300
・観音力
・南無観
・観自在
・ご詠歌(西国三十三ヶ所の観音霊場)
戒壇堂
創建:754年
本尊:四天王
開基:聖武天皇
開山:鑑真
宗派:華厳宗 大本山
歴史・みどころ
戒壇とは、僧侶が守るべき事を確かに実行する
旨を仏前に誓い受戒を受ける神聖な場所ですが
仏教により国の混乱を抑え民衆の心を
まとめようと考えた聖武天皇は
当時の唐(中国)の戒律の第一人者である
鑑真を日本に呼び日本での伝戒師制度の確立を
目指しました。
当時の日本は自分で出家を宣言し仏教を学んだ僧
のみで正式に中国から仏教を伝受した僧がおらず
中には自分に授戒する自誓授戒さえ軽視する僧が
増えていた為です。
754年 6度目でようやく日本への渡航を果たした
鑑真は大仏殿の前に戒壇を築き
聖武太上天皇・光明皇后・孝謙天皇をはじめ
440余人に戒を授けます。
そして翌年に戒壇院が建立されますが
当時は金堂・講堂・回廊・僧房などを有する
広大な建築物であった様ですが現在の戒壇堂は
1732年(江戸時代)に再建されたものです。
現在は多宝塔を中心に四天王像のみが安置
されてますが、本来は多宝塔の両脇に
多宝如来と釈迦如来も安置され
受戒の際はこの2仏が置かれますが
現在この2仏は東大寺ミュージアムにて
公開されています。

<増長天・持国天> 出展:東大寺パンフレット

<広目天・多聞天> 出展:東大寺パンフレット
戒壇堂 四天王像
東大寺戒壇堂といえばこの四天王像が頭に浮かぶ
ほど有名な像ではないでしょうか?
創建時は金銅製とされており現在の像は別の
お堂から移されたものとみられていますが
創建当時の奈良時代のものです。
私は特に広目天の眼光鋭いにらみ顔が印象的で
像全体のバランスも良くリアルな表情は
数ある四天王像の中でもピカ一だと思ってます。
東大寺の四天王には逸話があります。
鑑真が唐から日本に渡る際
幾度も渡航に失敗しますが5回目の渡航の際
やはり嵐に襲われ遭難しそうになった時
恐れる事はない!
甲冑をつけ杖を持った四天王が
船首に2人・帆柱に2人現れた!
と船頭が言ったそうです。
鑑真は四天王に守られながら
無事日本にたどり着くことが出来たのです。
(唐大和上東征伝)
この迫力のある4体の四天王は
鑑真が連れて来たんだ!
と思って拝観してください。
迫力があるわけですね!!
御朱印
戒壇堂の御朱印は2種類 ¥300
入堂時にお願いしておきます。
・四天王
・大和北部八十八ヶ所霊場番外所
拝観時間
二月堂・戒壇堂
4月~10月 7:30~17:30
11月~3月 8:00~17:00
入堂・拝観料
二月堂:無料
戒壇堂
大人(中学生以上)¥600
小学生 ¥300
住所・TEL
〒630-8211 奈良県奈良市雑司町406−1
0742-22-5511(代)
アクセス
東大寺まで
JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から市内循環バス
「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
近鉄奈良駅から徒歩約20分
二月堂:東大寺大仏殿から東へ徒歩8分
戒壇堂は大仏殿の西側になりますが
大仏殿→法華堂→二月堂→戒壇堂と
ゆっくり拝観し回っても
2時間くらいあれば十分です。
<二月堂>
<戒壇堂>
>すぐわかる東大寺・法華堂(三月堂) 歴史・見どころ~御朱印
>すぐわかる南都七大寺・南都六宗とは?