線図が出来たら数枚コピーし
配色の検討を行います。
このとき現物と同様の配色でもOKですが
まったく違う色を使ってみたり
現物と同様の色味でも若干のアレンジを加えたり
意図的にアクセントカラーを入れると
斬新で面白い作品になります。
彫紙アートの面白さの1つに
同じ下絵でも配色を変えることで
何通りもの作品創りが出来る事が上げられます。
今回は1つは現物に近いグリーン系
もう1つはエキゾチックでインパクトのある
パープル系で配色してみました。
グリーン系よりパープル系の方が
インパクトがあって斬新な感じがしませんか?
このステップで配色の感じや
陰影のトーンの強さ
諧調境界ラインなども見直し
必要であれば修正・調整します。
ここでは色鉛筆を使っていますが
ペン型のカラーマーカーを使うと
より早く、ムラなく仕上がり
出来上がりがイメージし易くなります。
配色が決まったら次はナンバリングです。
作品の大まかなパーツごとに
奥行き感をイメージしながら
レイヤー分けをしていきます。
この作品の場合
① 右側の花の部分
② 花の下の葉の部分
③ 左側のつぼみ側の葉
(右と共通で使えるところは共通で)
④ つぼみ
⑤ つぼみの奥の葉
といった感じです。
さらに①の花の部分を細分化し
1⃣ 花芯の左側の花びら
2⃣ 花芯
3⃣ 花芯の下側と一番左の花びら
4⃣ 花芯の左奥と右側の花びら
5⃣ 残りの花びら
という風に
花の部分も大きく5つのレイヤーに分け
各花びらは3色トーンで
花芯は4色で表現します。
それぞれのパーツと陰影の前後関係を
イメージしながらナンバリングを行います。
① 表面の紙
1⃣ 花芯の左側の花びら(②③④)
2⃣ 花芯(⑤⑥⑦⑧)
3⃣ 花芯の下側と一番左の花びら(⑨⓾⑪)
4⃣ 花芯の左奥と右側の花びら(⑫⑬⑭)
5⃣ 残りの花びら(⑮⑯⑰)
この作品のメインのレイヤー
花の部分で表紙を入れて17枚で構成されます。
同じようにして
② 花の下の葉の部分
③ 左側のつぼみ側の葉
④ つぼみ
⑤ つぼみの奥の葉
という風に細分化しナンバリングを行いますが
このとき奥行き関係をイメージしながら
共通で使える色は極力整理しておくと
むやみに枚数が増えるのを抑えられます。
彫紙アートの作品創りで
一番手間がかかり、且つ頭を使う作業です。
この下絵で作品の出来がほぼ決まり
作品創りの2/5か場合によっては1/2が終わった
といっても過言ではありません。
このようにして下絵を作成していきますが
この作品ではトータル35枚になりました。
一番深いパーツが㉞㉟なので
表から33枚彫ることになりますね
大体6mmほどの深さ(断面)が出てきます。
上級インストラクター養成講座だけあって
彫紙アートらしい本格的な作品になりそうです。
ところで…
このカリキュラムではこの下絵は使いません。
ナンバリングまでで終了。
ここまで1人で出来るようになると
オリジナル作品がつくれるようになります。
実際に彫る作品は
予め用意された下絵と用紙を使う事に…