デザイン

プロダクトデザインの仕事 飲食店向配膳ロボット

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飲食店向配膳ロボット(京都 G寿司)

<2018年>

2017年~18年にかけて

私達の仕事に大きな変化がありました。

 

実は2016年から新規事業の1つとして

搬送ロボットに取り組んでいたのですが

それがやっと商品化され

社外に販売することが出来たのです。

これは今まで家電製品・オフィス機器を

デザインして来た我々にとっても

新たな経験になりました。

 

元々社内には自社の製品の生産ラインを設計

生産する技術部門があったのですが

そこの技術の1つに搬送ロボットがありました。

それまでは自社の生産ライン用でのみの開発

でしたが2016年のH社による買収以降

その技術を社内で使うだけでなく

社外にも商品として販売し

収益を上げられる様取組んでいたのです。

 

 

最初は親会社の海外の生産工場や

大手の通販会社の倉庫内ピッキングロボットとして

展開していましたが

この年、国内の飲食関連会社からオファーがあり

飲食店でこの搬送ロボットが使えないか

実証実験を含めての導入依頼がありました。

 

この頃から、飲食業界も大変な人手不足で

従業員の業務負荷が増大し

ITを始めとした新しい技術の導入により

少しでも業務効率の改善と従業員の負荷を

軽くできないか試行錯誤が行われていた様ですが

そんな彼らが目を付けたのが

弊社のロボット技術だったのです。

 

 

最初に話があったのは関西を中心に

日本料理や寿司店舗を展開している

G寿司さんです。

 

G寿司さんはリーズナブルな回転寿司店の他

関西を中心に大きなお屋敷を買い取り

比較的安価に庭園を眺めながら和食を頂ける

庶民の料亭の様な店舗を展開しており

そちらでの運用を検討中との事でした。

 

2017年の7月頃に導入時のイメージスケッチと

概算見積もりをお渡しした後

しばらく返事が無かったので

この話は流れたのかな?と思っていたところ

11月に入り、至急京都のお屋敷で導入したい

との連絡を頂きデザイン及び設計検討を

スタートさせました。

 

ロボット本体は既にある倉庫用のものを

流用し料理を運ぶ棚の部分をいかに

伝統的な日本家屋のイメージに合わせるか?

が課題でしたが、早々にアイディアをまとめ

先方の確認を取ると試作機作成に入りました。

 

1月に試作機4台を導入し

運用の実証実験をスタートさせましたが

このG寿司さんの京都二条のお屋敷は

外国人のお客様も非常に多く

かなり大きなお屋敷店舗なんですが

常にお客様でにぎわっている感じでした。

 

ここは一部屋一部屋が広い為

厨房から部屋まで一斉に料理を運んだり

グループのお客様が食事を終えた時は

数人分の下げ膳を一斉に行う必要があるため

厨房 ⇔ 部屋間の搬送をロボットが

廊下⇔お客様への配膳や方付けを人が

といったコンビネーションの運用で

作業効率のアップを図っていました。

 

さすが業務効率化改革を

積極的に進めているG寿司さん

1~2か月の試験運用後直ぐに改善要望が

出されてきました。

概ねロボット導入による効率化は図れたものの

さらにフレキシブルに対応出来る様に

本体動力部と棚をセパレートにし

人・ロボットどちらでも運べるように̪する事で

厨房⇔部屋間の搬送をより効率的に行いたい

との事でした。

そして改良バージョンを同じ京都の亀岡店で

導入・運用したいとのオファーを頂きました。

 

この京都のお店には個人的に何度か食事に伺い

我が子(搬送ロボット)の働きぶりを

こっそり見に行きましたが…。 従業員の方と

あ・うんの呼吸で働いている様子を見て

少し安心致しました。

 

外国からのお客様も…

日本の伝統的な都  京都

伝統的な  日本庭園  を楽しみながら

日本の先端技術の  ロボット 

人と共働している様子を

大変興味深くご覧になっている様でした。

 

 

 

 

 

飲食店向配膳ロボット(東京ミッドタウン日比谷)

G寿司さんの後

ファミリーレストランを広く運営している

Rホールディングさんからも、今度オープンする

東京ミッドタウン日比谷の店舗で

試験運用をしてみたいとのオファーを頂きました。

 

ここはレストランカフェなんですが

仕事やMTGをするためのワークスペースがあり

このエリアでのドリンクや食事の注文を

お客様がタブレットで行いロボットが配膳する

という運用を試してみたいとの事でした。

 

こちらも同じロボットを使いますが

導入まで少し時間があったので

東京のオフィスビルのカフェに合うデザインを

新たに検討し直しました。

 

この仕事はO・K課長を中心に

デザインしてもらいましたが

実はこの年私の部門は大変な状況にあり

2015年の経営危機から2名の退職者が続き

O・K課長は実質的に部下1名の状況で

孤軍奮闘・頑張ってくれました!

 

デザイン案を先方とやり取りし

OPEN前には施工中の現場を訪れ色や仕上げの確認

同時にカフェエリアと同じ間取りの空間を工場内

にも設計しロボットの動作試験を繰り返しました。

またこちらはお客様のいる中を走行させるため

安全には十分に配慮しかなりゆっくり走行し

またロボットの前方にお客様がいる時は

女性の声で注意を促すボイスアテンション機能を

弊社の若手女性デザイナーの声を使って

採用するなど、新しい試みにもトライしました。

 

 

残念ながらこちらの「Qちゃん」

(お店のスタッフにそう呼ばれてるらしい)

G寿司のロボットほど忙しく活躍していない様で

働いてる時間より

休憩時間の方がかなり長い様です(笑)

 

Qちゃんは、女性の声で注意を促したり

安全のためかなりゆっくり動いており

それでも前方に人の動きを察知すると

「お先にどうぞ」と言わんばかりに

静かに止まってじっ~と待っているため

とても控えめでいじらしい人柄

感じるんだと思います。

 

*O・K課長、その節は大変ご苦労様でした!!

 

 

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