西大寺(勝宝山)
創建:765年 奈良時代末期
本尊:釈迦如来
開基:称徳天皇(孝謙上皇)
開山:常騰
宗派:真言律宗 総本山
歴史
奈良時代 後期
749年 聖武天皇が娘の阿部内親王に皇位を譲り
749年~ 孝謙天皇(聖武天皇の娘)
758年~ 淳仁天皇(天武天皇の孫)
と皇位継承されますが
760年 光明皇后が亡くなると
淳仁天皇をバックに権力を握っていた
恵美押勝(藤原仲麻呂)の影響力が弱くなり
それに代わり孝謙上皇病を祈祷で治し
信頼を得た弓削道鏡(ゆげのどうきょう)が
権力を増していきます。
上皇のあまりの道鏡への寵愛を
淳仁天皇を通じ諫めると
淳仁天皇・恵美押勝(藤原仲麻呂)と
孝謙上皇・道鏡の関係は悪化し
権力を失っていく事を恐れた恵美押勝が
ついに兵を上げ政権奪取を試みますが
孝謙上皇により阻止されます。
その後孝謙上皇が国家安泰と平和を願い
765年 金銅四天王像の造立を発願し
西大寺を建立したとされています。
父・聖武天皇創建 東の東大寺に対すし
娘・称徳天皇創建 西の大安寺を意識して
当時は薬師金堂・弥勒金堂・四王院・十一面堂院
東西の五重塔など壮大な伽藍を持った
東大寺と肩を並べる大寺であったようです。
見どころ
現在は当時の大寺の面影は見られませんが
本堂前の東塔跡をみると当時あったであろう
立派な塔を想像できます。
現在は「観光地」というよりは
「地元の住民に愛される寺」
というイメージが強く
地域に密着したお寺として引き継がれています。
奈良~平安~鎌倉時代の
数々の仏像が安置されてますが
その中でも私のおススメは
・愛染堂の秘仏・愛染明王坐像
鎌倉時代の木造ですが
わずかに顔に残る赤い彩色と
忿怒の表情はとても生気があり
全体のバランスも美しい像です。
・本堂の文殊菩薩騎獅像・四侍者像
こちらも鎌倉時代の木造で
堂々とした獅子の上で胡坐をかく
文殊菩薩の表情はとても美しく
像全体のバランスも良く美しい像です。
どちらも西大寺展にも出展されてた
素晴らしい仏像です。
もう1つ上げるとすれば
西大寺創建のきっかけとなり
称徳天皇が祈願された
四王堂の四天王像と邪鬼
何度も修復されたものですが
当時の造形を伝えているそうです。
本堂
本尊:釈迦如来立像(重要文化財)鎌倉時代
・文殊菩薩騎獅像(重要文化財)鎌倉時代
・弥勒菩薩座像 鎌倉時代
・地蔵菩薩立像
・弘法大師像
・興正菩薩像
愛染堂
秘仏:愛染明王坐像(重要文化財) 鎌倉時代
・興正菩薩寿像(国宝) 鎌倉時代
・黒漆彩色華形大壇(重要文化財)
四王堂
本尊:十一面観音立像(重要文化財)平安時代
・四天王像&邪鬼(重要文化財)室町・奈良時代
聚宝館
・金銅宝塔(国宝)鎌倉時代
・大神宮御正体(重要文化財)鎌倉時代
・吉祥天女立像(重要文化財)平安時代
・塔本四仏坐像(重要文化財)平安時代
・毘沙門天 鎌倉時代
・慈真和上像
・密教法具 鎌倉時代
・行基菩薩坐像(重要文化財)江戸時代
・西大寺版板木(重要文化財)鎌倉時代
御朱印
・釈迦如来 大和十三仏霊場2番
真言宗十八本山
・大黒天 大国堂
・愛染明王 西国愛染十七霊場13番
・十一面観音 大和路秀麗八十八観音巡礼
・ロータスロード
・ぼさつの寺めぐり
拝観時間
本堂・四王堂 :8:30~16:30
愛染堂・聚宝館:9:00~16:30
*秘仏愛染明王公開期間
1/15~2/4 10/25~11/15
*聚宝館開館期間
1/15~2/4 4/1~5/31 10/25~11/15
拝観料
本堂>
大人 ¥400
中学・高校生 ¥350
小学生 ¥200
愛染堂・四王堂・聚宝館>
大人・中学・高校生 ¥300
小学生 ¥200
諸堂拝観共通券>
本堂・愛染堂・四王堂・聚宝館 ¥1000
本堂・愛染堂・四王堂 ¥800
住所・TEL
〒631-0825 奈良市西大寺芝町1丁目1-5
0742-45-4700
アクセス
近鉄大和西大寺駅(南出口)から徒歩3分
駐車場
境内駐車場あり
¥300/時間 + ¥200/時間
終日(8:00~17:00)¥1500
>すぐわかる南都七大寺・南都六宗とは?